パソコン修理事例③

富士通ノートPC FMV-A744Hシリーズ

 

今回預かったのは、取引先の出入りしている施設で使用されていたノートPCです。

故障内容は、いつものように突然起動しなくなったと言うもの。

とにかく起動しないのであれば預かるしか無いと言うことで、取引先の担当の方が持ってきてくれました。

 

まず電源を入れて見ましたが、話の通りメーカーロゴの後で画面が暗いままうんともすんとも言いません。

次にセーフモードでの起動を試しましたがこちらも同様でした。

BIOS起動は確認できたので別のブートメディアを使用して起動確認したところ、ディスク自体はアクセス可能でしたが、肝心のシステムパーティションがマウントできません。

どうやらHDDのセクタ不良、しかも物理的な破損が原因の不具合が起きています。

取り敢えずファイルさえ救出できればアプリや設定が無くなってもいいと了承を得ていたので、ファイル類を救出した上でシステムパーティション復元ができるようなら復元を、無理なら工場出荷状態に戻す方向で進めることとしました。

そこで一旦HDDのイメージコピー作業を行ってバックアップを2台作成し、そちらで作業を行うことで不慮の自体に備えました。

 

内蔵HDDをコピーしたHDDに交換し、富士通の特徴であるトラブル解決ナビをHDDから起動してみます。

こちらはシステムパーティションとは別の場所に格納されているため起動しました。

ダメ元でCドライブのリカバリを行ってみます。

取引先担当者の話では、どうやら元のOSはWindows7か8.1で、故障前にWindows10にアップグレードをしていたようです。

リカバリディスクの作成を行っていなかったようですので、リカバリ領域からリカバリ出来なければ非常に面倒なことになりますが、やはりOSがアップデートされていたためこちらの方法ではHDD構成が違うということでエラーとなってしまいます。

諦めて再起動したところ、Windows10の自動修復モードが立ち上がって、しばらくすると見慣れたWindows10の起動画面が現れました……!

そしてそのままデスクトップ画面まで進み、Windowsが無事起動…したように見えたのですが、そこはやはりHDD破損が起きていたシステムです。至る所に不具合が見受けられました。

一見なんでもないように見えますが、Windowsが動くための重要ファイル類が幾つも失われて使用できるような状態ではなく、ぬか喜びとはこういう事かと。

手元にあったインストール用のメディアからファイル類を拾って修復することも出来ないわけではないのですが、膨大な時間がかかりそうだったことと修復後の動作に不安があったため、短時間で完了させられるデータ類のみ救出してリカバリする方向にします。

(担当者と相談した際に、業務用PCなので不具合の発生する確率を下げたいという話もありましたので)

 

問題は、リカバリデータがHDDのリカバリ領域にしか存在しないため、プリインストールソフト、とりわけOfficeのインストールが可能かどうかというところでした。

この機種はOfffice2013プリインストールだったので、元のリカバリデータからであればインストール状態で復元できます。

そしてプリインストール機の場合はMicroSoftからダウンロードしなくてもプロダクトキー入力だけで使用できるため、施設側でMicrosoftアカウントを作成していませんでした。

新たにアカウントを作成できればそちらで製品登録を行ってダウンロードするだけなのですが、施設の運営組織の問題で簡単にアカウント作成が出来ないとのこと。

そして付属の起動ディスクからだとプリインストールソフトが入れられず、メーカー提供の有償版リカバリディスクセットでもOfficeのインストールが出来ません。

 

仕方が無いのでリカバリ領域のデータからリカバリデータ類を抽出し、メディアに焼き付けて仮のリカバリデータディスクを作成します。

その際に元のOSがWindows7だということも確認できました。

その後、抽出したデータと起動ディスクでリカバリ作業を行った結果、無事Officeのインストールがされた状態でリカバリが出来ました。

後は救出要望のあったファイルの吸い出しとコピーを行い、更新作業や動作検証、リカバリメディアの作成などをした上で返却となりました。