パソコン修理事例②

特殊用途機の修理


今回預かったのは、ある特定業種用にカスタマイズされたWindows機です。

故障内容は、突然起動しなくなったと言うもの。

元々、20年近く前にソフトウェアとのパッケージで販売されていた商品ですが、今回のご依頼者はソフトの便利さゆえに中々機体の更新を行えず今まで使用してきたそうです。

ソフトを使用するタイミングでしか起動しないPCで、いざ使おうとした段階で起動しなくなっていたので慌てて修理できるか連絡したと言う事でした。

搭載OSはWindows NT。

HDDは20GBを4GBに制限した物を搭載しています。

実は以前この機体のHDDが調子悪くなった際に交換したのも弊社でした。

その為、勝手が判っていると思って連絡を頂いた模様です。


状況的に厳しそうでしたので一旦預かりとなりましたが、なにぶん古いPCです。

メーカー製ではなくBTOに近いほぼ自作寄りの機体でしたので、詳細は部品単位で調べる必要がありました。

問題はどの部品が壊れているかですが、ここは普通に切り分けるしかありません。

まずはマザーボードの表面を観察し、部品の焼けた跡や劣化等が無いかを確認します。ここでは特に異常はありませんでした。

次に電源、マザーボードのみの最小構成で通電するかを確認しますが、やはり起動しない事を確認できました。

通電状態でもマザーボードのパイロットランプが消灯したままでしたので、通電されていないのも判ります。

そこで電源ユニットを外し、チェッカーに繋いで通電チェックを行います。

チェッカーは無反応でした。

つまり電源ユニットが故障していると言う事です。

手元にあった出力の規格が同一の電源ユニットを最小構成マザーボードに繋いで通電したところ、パイロットランプが点き、通常通り電源ボタンで起動しました。

HDDを繋ぎ、モニターとキーボードを付けて通常起動するか確認します。

そうすると通常の起動画面が出てOSが立ち上がります。

これで原因は特定できました。


問題は電源ユニットの手配でした。

この機体はMicroATX対応のスリムケースで作られており、またケースに電源ユニット固定用の部品が溶接されている為ほぼ専用電源となっていて、一般に売られている電源ユニットが使用できません。

また壊れた物と同じタイプの電源ユニットは既に生産完了品で、中古品も調べましたが市場に出回っておらず、後継機種はサイズが大きくなっている為使用できません。


ここで修理方法は3種類考えられました。


1. 同じ電源ユニット、又は同サイズの電源ユニットを探して取り付ける

2. マザーボードごと別のケースに移して別の電源ユニットを取り付ける

3. 外観は酷いし場所はとるが、兎に角使えるような電源ユニットを外付けにする


修理として理想の順番に思いついたのですが、現実的には2が一番実現の可能性が高く綺麗に収まります。

そこでお客様に確認を取ります。

すると、当初は数日の余裕があった修理期間を何とかすぐに納める方法でお願いできないか、との事。

緊急の作業が入ったそうです。

予算もそれほど掛けられない為、必要最低限の部品手配で済ませる必要がありますので、お客様には最も時間が掛からなく且つ予算的に低価格で済む3番の案をお話しました。

それで良いとなったので、手元にあった検品済みの他メーカー製中古電源ユニットを使用する事にしました。

延長ケーブルを利用してケースの外からマザーボードやHDDなどに配線を廻します。

嘗て電源ユニットがあった空洞から配線を出した状態なので、ケースの角で配線皮膜に傷が入らないようにウレタンテープでエッジの部分を隠し、配線にも保護テープを巻きます。

一通りの動作確認などを行い問題なく動作したため、修理翌日には返却となりました。


返却時、お客様には事情を説明しましたが、時間などに余裕が出たら別のケースに移す作業をやって貰いたいとご依頼を受け、今回の作業は一応完了となりました。