2016年

9月

29日

パソコン修理事例③

富士通ノートPC FMV-A744Hシリーズ

 

今回預かったのは、取引先の出入りしている施設で使用されていたノートPCです。

故障内容は、いつものように突然起動しなくなったと言うもの。

とにかく起動しないのであれば預かるしか無いと言うことで、取引先の担当の方が持ってきてくれました。

 

まず電源を入れて見ましたが、話の通りメーカーロゴの後で画面が暗いままうんともすんとも言いません。

次にセーフモードでの起動を試しましたがこちらも同様でした。

BIOS起動は確認できたので別のブートメディアを使用して起動確認したところ、ディスク自体はアクセス可能でしたが、肝心のシステムパーティションがマウントできません。

どうやらHDDのセクタ不良、しかも物理的な破損が原因の不具合が起きています。

取り敢えずファイルさえ救出できればアプリや設定が無くなってもいいと了承を得ていたので、ファイル類を救出した上でシステムパーティション復元ができるようなら復元を、無理なら工場出荷状態に戻す方向で進めることとしました。

そこで一旦HDDのイメージコピー作業を行ってバックアップを2台作成し、そちらで作業を行うことで不慮の自体に備えました。

 

内蔵HDDをコピーしたHDDに交換し、富士通の特徴であるトラブル解決ナビをHDDから起動してみます。

こちらはシステムパーティションとは別の場所に格納されているため起動しました。

ダメ元でCドライブのリカバリを行ってみます。

取引先担当者の話では、どうやら元のOSはWindows7か8.1で、故障前にWindows10にアップグレードをしていたようです。

リカバリディスクの作成を行っていなかったようですので、リカバリ領域からリカバリ出来なければ非常に面倒なことになりますが、やはりOSがアップデートされていたためこちらの方法ではHDD構成が違うということでエラーとなってしまいます。

諦めて再起動したところ、Windows10の自動修復モードが立ち上がって、しばらくすると見慣れたWindows10の起動画面が現れました……!

そしてそのままデスクトップ画面まで進み、Windowsが無事起動…したように見えたのですが、そこはやはりHDD破損が起きていたシステムです。至る所に不具合が見受けられました。

一見なんでもないように見えますが、Windowsが動くための重要ファイル類が幾つも失われて使用できるような状態ではなく、ぬか喜びとはこういう事かと。

手元にあったインストール用のメディアからファイル類を拾って修復することも出来ないわけではないのですが、膨大な時間がかかりそうだったことと修復後の動作に不安があったため、短時間で完了させられるデータ類のみ救出してリカバリする方向にします。

(担当者と相談した際に、業務用PCなので不具合の発生する確率を下げたいという話もありましたので)

 

問題は、リカバリデータがHDDのリカバリ領域にしか存在しないため、プリインストールソフト、とりわけOfficeのインストールが可能かどうかというところでした。

この機種はOfffice2013プリインストールだったので、元のリカバリデータからであればインストール状態で復元できます。

そしてプリインストール機の場合はMicroSoftからダウンロードしなくてもプロダクトキー入力だけで使用できるため、施設側でMicrosoftアカウントを作成していませんでした。

新たにアカウントを作成できればそちらで製品登録を行ってダウンロードするだけなのですが、施設の運営組織の問題で簡単にアカウント作成が出来ないとのこと。

そして付属の起動ディスクからだとプリインストールソフトが入れられず、メーカー提供の有償版リカバリディスクセットでもOfficeのインストールが出来ません。

 

仕方が無いのでリカバリ領域のデータからリカバリデータ類を抽出し、メディアに焼き付けて仮のリカバリデータディスクを作成します。

その際に元のOSがWindows7だということも確認できました。

その後、抽出したデータと起動ディスクでリカバリ作業を行った結果、無事Officeのインストールがされた状態でリカバリが出来ました。

後は救出要望のあったファイルの吸い出しとコピーを行い、更新作業や動作検証、リカバリメディアの作成などをした上で返却となりました。

 

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2015年

11月

04日

パソコン修理事例②

特殊用途機の修理


今回預かったのは、ある特定業種用にカスタマイズされたWindows機です。

故障内容は、突然起動しなくなったと言うもの。

元々、20年近く前にソフトウェアとのパッケージで販売されていた商品ですが、今回のご依頼者はソフトの便利さゆえに中々機体の更新を行えず今まで使用してきたそうです。

ソフトを使用するタイミングでしか起動しないPCで、いざ使おうとした段階で起動しなくなっていたので慌てて修理できるか連絡したと言う事でした。

搭載OSはWindows NT。

HDDは20GBを4GBに制限した物を搭載しています。

実は以前この機体のHDDが調子悪くなった際に交換したのも弊社でした。

その為、勝手が判っていると思って連絡を頂いた模様です。


状況的に厳しそうでしたので一旦預かりとなりましたが、なにぶん古いPCです。

メーカー製ではなくBTOに近いほぼ自作寄りの機体でしたので、詳細は部品単位で調べる必要がありました。

問題はどの部品が壊れているかですが、ここは普通に切り分けるしかありません。

まずはマザーボードの表面を観察し、部品の焼けた跡や劣化等が無いかを確認します。ここでは特に異常はありませんでした。

次に電源、マザーボードのみの最小構成で通電するかを確認しますが、やはり起動しない事を確認できました。

通電状態でもマザーボードのパイロットランプが消灯したままでしたので、通電されていないのも判ります。

そこで電源ユニットを外し、チェッカーに繋いで通電チェックを行います。

チェッカーは無反応でした。

つまり電源ユニットが故障していると言う事です。

手元にあった出力の規格が同一の電源ユニットを最小構成マザーボードに繋いで通電したところ、パイロットランプが点き、通常通り電源ボタンで起動しました。

HDDを繋ぎ、モニターとキーボードを付けて通常起動するか確認します。

そうすると通常の起動画面が出てOSが立ち上がります。

これで原因は特定できました。


問題は電源ユニットの手配でした。

この機体はMicroATX対応のスリムケースで作られており、またケースに電源ユニット固定用の部品が溶接されている為ほぼ専用電源となっていて、一般に売られている電源ユニットが使用できません。

また壊れた物と同じタイプの電源ユニットは既に生産完了品で、中古品も調べましたが市場に出回っておらず、後継機種はサイズが大きくなっている為使用できません。


ここで修理方法は3種類考えられました。


1. 同じ電源ユニット、又は同サイズの電源ユニットを探して取り付ける

2. マザーボードごと別のケースに移して別の電源ユニットを取り付ける

3. 外観は酷いし場所はとるが、兎に角使えるような電源ユニットを外付けにする


修理として理想の順番に思いついたのですが、現実的には2が一番実現の可能性が高く綺麗に収まります。

そこでお客様に確認を取ります。

すると、当初は数日の余裕があった修理期間を何とかすぐに納める方法でお願いできないか、との事。

緊急の作業が入ったそうです。

予算もそれほど掛けられない為、必要最低限の部品手配で済ませる必要がありますので、お客様には最も時間が掛からなく且つ予算的に低価格で済む3番の案をお話しました。

それで良いとなったので、手元にあった検品済みの他メーカー製中古電源ユニットを使用する事にしました。

延長ケーブルを利用してケースの外からマザーボードやHDDなどに配線を廻します。

嘗て電源ユニットがあった空洞から配線を出した状態なので、ケースの角で配線皮膜に傷が入らないようにウレタンテープでエッジの部分を隠し、配線にも保護テープを巻きます。

一通りの動作確認などを行い問題なく動作したため、修理翌日には返却となりました。


返却時、お客様には事情を説明しましたが、時間などに余裕が出たら別のケースに移す作業をやって貰いたいとご依頼を受け、今回の作業は一応完了となりました。

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2015年

9月

05日

動作の重い古めのPCを使う

弊社は法人のPC保守を主業務としていますが、最近は問い合わせ内容で数年前に購入したPCのパフォーマンス低下……具体的にはPCの起動速度やアプリケーションの起動速度、アプリケーション自体の動作が遅かったり重かったり……を何とかして欲しいと言うものが増えています。

その症状の出方により対応策は色々あるのですが、HDDの不具合ならHDD交換、アプリケーションの競合やシステム上の問題などなら競合アプリケーション削除やレジストリクリーニングや不要な常駐プログラムの停止など、ハードウェアスペックの問題ならメモリ増設、CPU換装と言った手段が定石です。

ただ最近は、価格の低下や大容量化が進んだSSDを使ったHDDの載せ替えをする事が増えています。

特にHDD不具合やハードウェアスペックに起因する速度低下の場合は相当に効果があり、ソフトウェア的な問題でも(エラーでアプリケーションが立ち上がらないなどの症状以外では)効果がありました。

またノートPCの場合は、HDDと違い物理的な衝撃(揺れ等)に強い事も大きなメリットになります。

なお実際に交換した事例で、今まで起動まで4分以上かかっていたCeleronデュアルコアのWindows7-32bit搭載のPCが、起動まで1分程になると言う事もありました。

(これは極端な事例ですが)


現在では業務用PCでも最低500GB程度の容量を持っているため、安くなったと言っても同容量で載せ替えるのは予算的に現実的ではありません。

通常は120GB~256GB程度の物で交換を行います。

これなら高くても1万数千円で用意できますし、CPU換装やメモリ交換などを行った場合と比べてもトータルコストは同じ程度か少々高いくらいです。

また新たにPCを購入するよりも安価です。

 

ここで元々500GB以上のものを256GB以下に変えて容量は不足しないのか、と言う疑問をもたれる事もあるのですが、業種にもよりますが、個人の趣味用のPCと違って業務用PCではそれ程大容量の記憶領域が不要と言う事が重要です。

弊社にて保守契約しているお客様の大半はネットワーク上にサーバーやNASなどを設置してファイル共有やバックアップを行っており、PC側にはそれ程記憶させていない為、実使用領域が100GBを切っているケースが殆どでした。

その為、現在この作業を行ったお客様で容量的な問題は起きていません。

因みにどうしてもローカルに大きなデータを置きたい場合は、外付けHDDを用意するか、SSDではなく大容量のHDDへの交換(※)か、機種によってはSSDとHDDの混載、又はSSDを2個搭載する事を提案しています。

 

SSDの問題点としては、HDDと違ってSSDの場合は、ハードウェアエラーが発生した段階で一切の読み書きができなくなるという事と、書き込み回数の上限があることです。

回数については、理論上はほぼ問題が無いレベルですが、やはりエラーが起きた場合が怖い為、マメにシステムイメージのバックアップを外部に取るのを忘れないようにしなければなりません。


※HDDの種類にもよりますが、使用されている容量が同じ場合、構造的に大容量HDDの方が速くなる傾向があります。

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2015年

9月

03日

パソコン修理事例①

DELL Optiplex 380(Windows7Professional)


取引先のPCで、起動後に突然再起動する症状が出ました。

一旦再起動した後は特にスタートアップ修復なども起動せず普通に動く為様子を見ていたそうなのですが、何度か現象が起きるうちに再起動後のパフォーマンスが非常に悪くなってきたので連絡したようです。

最初は熱暴走やメモリ系のエラーの様な症状だったため、内部清掃やヒートシンクの付け直しとメモリ交換で様子を見ましたが、再度同じ症状で再起動するため別の部位の故障と見られました。

念のためHDDエラースキャンをしましたが問題なし。

そのほかの部品も精査したかったのですが、業務用で常に伝票入力や出力などを行うPCの為修理に時間がかけられず、止むを得ずその場で関連部品の一新を行う事になりました。

具体的には同型機種への載せ替え作業です。


5年以上前のHDDのままだった為、パフォーマンスなどを考慮してイメージコピーを新品HDDに行い、マシンスペックが同じ全く同型のOptiplex380(保守の為に弊社にてストックしていた物)に載せて起動確認を行います。

過去の経験から、この機種の場合は同型機種であればすんなり起動してくれる可能性が高いのでこの方法が取れるのですが、稀に動かない物もありますので注意が必要です。

今回は上手く起動してくれました。

Windowsの認証もクリアし、後はインストールされていたアプリケーションの再認証や再登録(※)を行います。


※ハードウェアが変わった場合、MicrosoftOfficeや会計ソフト、セキュリティソフトなど、Web認証を行う殆どのアプリケーションは認証が外れます。


このPCに帳票作成系のデータベースが保存されていた為、各PCからの接続も確認し、外付けHDDへのバックアップ設定も問題が無い事も確認できた為これで修理完了となりました。


今回の出張修理の全体の所要時間は1時間50分程度、その大半はHDDのコピー時間です。

保守契約にて作業代金は掛からず、契約上いただく事になっている交換部品代だけが追加費用となりました。

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